何となく姓変えたけど…消えぬモヤモヤ 政治に届いた

清水大輔
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 【長野】結婚時に夫婦が同姓にするか別姓にするかを選べる「選択的夫婦別姓制度」について議論するよう国に求める意見書を、千曲市議会が24日、全会一致で可決した。同様の意見書の採択は、昨年9月の上田市議会を皮切りに、今回が県内4例目。ほかの自治体でも議論が進められている。

 「うれしいです。これからも制度への理解が広がっていってほしい」。24日、千曲市議会で意見書が可決されると、傍聴していた内山由香里さん(53)が笑顔で語った。

 今回、意見書の採択に向け請願活動をした市民グループ「選択的夫婦別姓・陳情アクション信州」のメンバーの1人。今年2月に市民や市議らとの勉強会を開き、意見書提出を求める請願にこぎ着けた。

 2018年11月に「全国陳情アクション」が結成されたのをきっかけに、県内で同じ思いをしているメンバーと知り合い、昨年3月から活動を本格化させた。当初は内山さんを含め4人でスタートしたが、その後メンバーが増え、男性2人を含め12人になった。

 今回、市議会で、意見書の提出を求める請願の趣旨説明をした吉澤茉帆(まほ)さん(36)もその1人。結婚の際、夫との間で「名字、どうしよっか?」という話題が出てくると思っていたが、突っ込んだ議論がないまま、「何となく」自分が姓を変更することになったという。

 モヤモヤがずっと続いたが18年1月、ソフトウェア会社「サイボウズ」(東京都)の青野慶久社長らが、夫婦別姓を選べる法制度がないのは法の下の平等を保障した憲法に違反するとして国を提訴したのをきっかけに、「声を上げていいんだ」と考えるようになり、活動に加わった。

 「陳情アクション信州」はオンライン上で市民や国会議員らと勉強会をしたり各地の議員60人以上に議論を呼びかけたりしてきたという。昨年9月と12月に上田、長野市議会で意見書が全会一致で採択された。松川町によると、同じ12月、「陳情アクション信州」とは別の個人の陳情があり、同議会でも意見書が採択された。「陳情アクション信州」は松本市小諸市飯田市など5市町でも議員への働きかけをしているという。

 23日、最高裁大法廷は家事審判の決定で、夫婦別姓を認めない判断をした。吉澤さんは「市民レベルであきらめムードが広がらないか」という心配もあるというが、「私たちの子どもには誰もが苦労や我慢のいらない社会を生きてほしい」。議論の活性化のために今後も活動していくという。(清水大輔)

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