パレスチナの活動家が「不自然な死」 自治政府に拘束後

パレスチナ自治区ガザ=清宮涼
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 パレスチナ自治政府に批判的な立場で知られた人権活動家のパレスチナ人男性が24日、自治政府に拘束された後、死亡した。パレスチナの市民や国際社会からは「不自然な死だ」として、自治政府への批判や真相究明を求める声が高まっている。

 死亡したのは、自治政府の腐敗などを批判してきたニザール・バナト氏。24日未明、ヨルダン川西岸地区ヘブロンにある自宅で、自治政府の治安部隊に拘束され、その後死亡が確認された。

 AFP通信などによると、地元知事は「拘束の間に健康状態が悪化した」としているが、ニザール氏の親族は、ニザール氏が自宅で治安部隊に金属棒で繰り返し殴られたと訴えている。

 ヨルダン川西岸地区のラマラでは24日、数百人が抗議デモに集まり、自治政府のアッバス議長の辞任を求めた。

 パレスチナでは2006年以来選挙が行われておらず、自治政府の指導部への支持は低迷している。ニザール氏は、今年5月22日に予定されていた自治評議会(議会)選挙に立候補を予定していたが、アッバス議長は4月末、選挙を延期していた。

 ニザール氏の死亡を受け、米国務省の報道官は24日、声明で「パレスチナ自治政府による表現の自由への規制と、市民活動への妨害に重要な懸念を持っている」とし、自治政府に徹底的かつ透明性のある調査を求めた。国連や欧州連合(EU)からも調査を求める声が上がっている。(パレスチナ自治区ガザ=清宮涼