俳優の李麗仙さん死去 アングラ演劇、「金八先生」にも

 1960~70年代のアングラ演劇で活躍し、「3年B組金八先生」などのテレビドラマや映画にも多数出演した俳優の李麗仙(り・れいせん、本名大鶴初子〈おおつる・はつこ〉)さんが22日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。79歳だった。葬儀は近親者らで営む。喪主は長男で俳優の大鶴義丹(おおつる・ぎたん)さん。

 東京生まれ。60年代から劇作家の唐十郎さんが主宰する劇団状況劇場で活動し、「紅(あか)テント」公演での圧倒的な演技で「アングラの女王」と称された。在籍中に唐さんと結婚したが、88年に離婚した。「3年B組金八先生」の第4シリーズでは金八と対立する堅物の教頭を印象深く演じた。近年も能を題材にした創作劇に出演するなど、舞台にも熱心に取り組んでいた。

「一片の悔いなき人生だった」大鶴義丹さん

 長男の大鶴義丹さんは所属事務所を通してコメントを出した。全文は次の通り。

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 母、李麗仙は、2018年に脳梗塞(こうそく)を患いリハビリに励んでいましたが、今年の春に肺炎になったことから入院生活となり、今月22日に永眠しました。享年79歳。

 私の父である唐十郎とともに劇団「状況劇場」を興し、60年代70年代のアングラ演劇シーンの真っただ中を疾走しました。父、唐十郎とは離婚しましたが、最後まで盟友としての親交はありました。最後の舞台は、2017年の「六条御息所」でした。

 唯一無二のアングラ女優人生を全うして、一片の悔いなき人生だったと思います。葬儀は今週末に、家族友人や演劇関係者だけで行う予定です。

リアリズムの人」 劇団「新宿梁山泊」代表の金守珍さん

 演出家で劇団「新宿梁山泊」代表の金守珍さんの話 僕は蜷川幸雄さんのところから状況劇場へ押しかけたので、最初は入れてもらえなかったんですが、手伝っているうちに「入れてあげたら」と言ってくれたのが李麗仙さんでした。李さんと唐十郎さんに鍛えられました。女優としてはリアリズムの人。セリフを深く掘り下げて、一字一句を大事にしてた。よだれ垂らしながらしゃべる女優で、かなう役者はいないんじゃないか。あのパワーは尊敬します。これで一時代が終わったのかなと思いますが、李さんの痕跡を受け継いでいこうと思います。