自動ドア事故4年で516件 消費者事故調が改善を提言

杉浦幹治
[PR]

 身近な事故の原因を調べる消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は25日、自動ドアの事故について報告書を公表した。事故の分析から、ドアを開閉させる人感センサーの感知範囲の設定が狭すぎることやセンサーの故障や劣化が原因になるケースが多いと判明。子どもがドアと戸袋のすき間に指をひき込まれる事故も多発しており、センサーの定期点検や、ドアの製品設計の見直しを提言した。

 消費者事故調は2018年に、前の人に続いて店に入ろうとした80代の女性が、閉まり始めたドアにぶつかって脚を骨折した事故を受けて調査に着手。全国自動ドア協会が15年度から18年度に把握した事故は516件に上り、内訳は「ぶつかる」265件、「ひき込まれる」74件、「挟まれる」57件だった。

 自動ドアは一般的に、上部につけられた赤外線センサーで人を感知してドアを開閉させる。ぶつかった事故を分析すると、機械に原因があった87件のうち6割はセンサーが感知する範囲が狭すぎたり、故障や劣化で正常に作動しなかったりしていた。

 日本産業規格(JIS)や、同協会のガイドラインでは、センサーが反応する範囲に推奨値が示されているものの、通行する人の多さや通路の広さなど建物の所有者の都合で、より狭い範囲に設定できる。タッチスイッチ型の自動ドアの場合は、後続の通行者が挟まれないようにセンサーとの併用が推奨されているが、法的な義務はなく、建物の所有者に判断が委ねられているのが実態だという。

 センサーの点検については、多くの場合、故障した時に限られ、自動ドアの設置には設計、施工など多くの業者が関わるが、自動ドアの安全に関わる情報は、業者間で共有されていないケースが多かった。

 ひきこまれる事故74件では、9歳以下の事故が82%を占めた。JIS規格ではドアと戸袋、壁の隙間は8ミリ以下に設計するよう定められているが、事故調は、子どもの指の厚さは10歳以上でやっと8ミリを超えると指摘し、幼い子どもが指をひき込まれないように製品規格の見直しが必要と結論付けた。

 事故調は事故の再発防止のため、センサーが反応する範囲の点検と周知を求める必要があると提言。経済産業省に対し、製造業者や保全業者、業界団体に対策の実施を促すよう求めた。国交省に対しても、建築・設計業者に設計段階から、センサーが感知する範囲の確保などを検討するよう促した。(杉浦幹治)