駅ビルに飲食店を誘致 1日5食で半径1キロを徹底調査

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松本真弥
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凄腕しごとにん

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駅ビルへの入居を打診する際、まずは客としてカウンターで食事する。食後に名刺を渡し、職場に一度戻ってから電話でアポ取り。「一番大事なのは信頼なので」=熊本市西区、藤脇正真撮影

JR熊本シティ 営業部 担当部長 辻祐一郎さん(46)

 平日のお昼時。スーツ姿の男性やカップル、女性グループが店先のメニューを吟味し、顔に期待の色をにじませながらのれんをくぐる。

 JR熊本駅に直結する駅ビルの6、7階にある飲食フロア。近隣の住民やビジネスパーソンに加え、新幹線や在来線で訪れた多様な客を迎える。別棟の飲食店を含め計43店を誘致し、4月の開業後はフロア運営の責任者を務める。20年間で駅ビル3カ所の担当をわたり歩き、入居を打診した飲食店は約1500店にのぼる。

 飲食店の誘致は、周辺のローラー調査から始まる。かつて担当した大分駅ビルの開発では、駅から半径約1キロを中心に飲食店約1千店を同僚約10人と巡った。メニュー、価格帯、席数、業態を調べ、繁盛店では実際に味をみた。1日5食は口にした。

 調査からわかったのは、魚の刺し身や肉料理など幅広いメニューをそろえた居酒屋が多い一方、串料理など「一品」に特化した店は少ないこと。もう一つ。女性客が気軽に立ち寄れる店があまりないことも見えてきた。導き出した解は「焼き鳥の店と、母と娘の2人で楽しめるようなベーカリーレストランを入れる」。熊本では調査を基に「ハレの日に使えるワンランク上の店」として、客単価を長崎や鹿児島の駅ビルよりも高い約1500円に設定した。

 誘致したい業態が決まると、次は入居交渉に入る。大手チェーンに話をもっていく場合もあれば、商業施設に未出店の地元の人気店を誘うことも。

■「最後は熱に折れました」…

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