街で流れるヒットナンバーを聞けば、自然と歌い手の顔が浮かんでくる。そんな日常が、この数年「顔出しNG」ミュージシャンの急増によって崩れつつある。なぜアーティストたちは、顔を隠すようになったのか。
老舗の音楽番組「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)に今年2月、口や鼻の下部だけを露出させ、そのほかを仮面で覆って初出演したのが、シンガーのyamaだった。
昨年発表した「春を告げる」は、ネットでのストリーミング再生が1億回を超え、音楽シーンを代表する作品となった。だが、素顔や性別、年齢、出身地などを明らかにしていない。
続いて登場したシンガーのりりあ。を映すカメラは、ギターを弾く手をアップにし、一切顔を映さない。音楽番組としては、いささか異様だが、現在の音楽シーンを象徴する光景でもあった。
グループ名が夜を連想させる…