東芝子会社6月末で部署廃止 「追い出し部屋」の見方も
東芝の子会社の東芝エネルギーシステムズ(ESS、川崎市)で、一部の社員から「追い出し部屋」と呼ばれてきた部署が、今月末で廃止されることがわかった。
2019年春に新設された「業務センター」で、希望退職に応じなかった中高年の社員らが配属されていたとされる。当初は約20人いたが、ESSはいまの人数は公表できないとしている。
IT技術者に倉庫内での箱詰め作業を命じるなど、キャリアに見合わない仕事をさせられたという社員もいる。自ら退職するよう仕向ける「追い出し部屋」だとして裁判も起こされた。東芝側は適切な再配置先が決まるまでの一時的な措置だとして、「追い出し部屋」との見方を否定している。
25日の東芝の株主総会で株主から見直しを求める質問があった。人事担当の三原隆正常務が「6月末をもって廃止する。いらっしゃった方々はきちんとした職場に配属する予定だ」と答えた。ESSによると、業務センターの社員にはそれぞれ7月1日付での異動案を示しているという。
社員の1人は20年3月に人事権の乱用だとして提訴し、ESSに配属の無効などを求めている。
関係者によると、社員側には6月上旬に異動案が示された。元の職場に戻ったうえで一定期間の実習を受けるよう言われた社員もいて、困惑が広がっていた。
業務センターができたきっかけは、金融界出身の車谷暢昭・東芝前社長が取り組んだリストラだった。一部の海外株主との対立の激化もあり、車谷氏は今年4月に辞任した。東芝としては、経済産業省と一体になった株主総会への介入に対して批判も強まるなか、経営刷新をアピールしたいねらいもあるとみられる。
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情報を送ってください。eメールアドレスt-rodo@asahi.comへ。(内藤尚志)
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