渡嘉敷勝男さんの「恩返し」 ジム会長、ユーチューバー

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井上昇
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 明るいキャラクターでお茶の間でも人気を博したボクシング元世界王者の渡嘉敷勝男さん(60)。活動の軸足を後進の育成に置きつつ、新たな挑戦も始めた。自分の人生を変えてくれたボクシングへの恩返しを強く意識する毎日だという。

 「良いバランスのパンチだ」「今のスムーズな動きを忘れないようにな」

 東京都中野区にある渡嘉敷ボクシングジムのリング上。選手のパンチをミットで受けながら、常にポジティブな言葉を投げかける。乗せられた選手の動きは機敏さを増し、熱気はリング外にも伝わる。ジムに活気がみなぎった。

「トカちゃん」よりも「会長」に慣れた

 ボクシングの世界王者になり、王座を5度防衛。現役引退後は芸能界でも活躍したが、現在はメディアでの露出は減らし、1997年に開設したジムで後進の指導・育成に励む日々だ。愛称の「トカちゃん」よりも「会長」と呼ばれることにすっかり慣れたと笑う。

 昨年、60歳を迎えた。自らの歩みを「ボクシングによって救われた人生だった」と振り返る。

 沖縄県で生まれ、幼少期から喧嘩(けんか)に明け暮れた。ヤンチャ坊主がボクシングの道に導かれたのは、高校1年の時だった。

 テレビで偶然、当時の世界王者・具志堅用高選手の試合を目にした。序盤にダウンを奪われながらも逆転勝利する劇的な展開に釘付けになった。隣にいた友人に聞けば、具志堅選手は身長・体重ともに小柄な自分とあまり変わらないという。「小さな体で、こんなに強い人がいるのか。この人と勝負したい」と、負けん気に火が付いた。

 高校を中退して上京し、ボクシングジムに入門。「人の3倍練習した」と言うほどボクシング漬けの毎日を送った。憧れの具志堅選手のスパーリングパートナーも務めた。18歳でプロデビューするとめきめき実力を伸ばし、わずか3年で世界の頂に上り詰めた。

 ボクサー引退後は俳優の養成学校で演技を学び、芸能界の門をたたいた。一方でボクシングジムを開設。しばらく二足のわらじをはいたが、40代になって原点のボクシングに「恩返しをしたい」気持ちが強くなり、ジムの指導に専念するようになった。

 今は毎日、昼から午後9時過ぎまでジムで過ごす。

 指導者として最大の武器は「…

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