残業月204時間も 内閣官房コロナ室、過労死基準超す
新型コロナウイルス感染症への政策づくりを担う内閣官房の対策推進室(コロナ室)で、「過労死ライン」の月80時間を超える超過勤務(残業)が常態化している。4月に最も長く残業した職員は約204時間だった。
コロナ室を管轄する西村康稔経済再生相の組織管理がどう改善したかを尋ねた安達澄参院議員(無所属)の質問主意書に対し、政府が今月25日に閣議決定した答弁書のなかで明らかになった。3~5月にかけてのコロナ室の平均残業時間は、3月が約89時間、4月が約95時間、5月が約92時間で、いずれも「過労死ライン」を超えた。
3月に閣議決定した安達氏への答弁書では、1月に最も長く残業した職員は約378時間。コロナ室の平均残業時間は約122時間だった。1月は2度目の緊急事態宣言が出され、特別措置法改正の国会審議もあり、コロナ室への負荷が特に大きかった。
1月より残業時間は減ったものの、依然として高い水準が続いている。西村氏は今月25日の閣議後会見で「かなり改善している」との認識を示したうえで、「引き続き業務の効率化含めて、超過時間が削減できるよう対応していく」と話した。
また今回の答弁書では、西村氏が経済界などに依頼しているテレワーク(在宅勤務)について、「(自分も)できるときはテレワークも行いたい」と記者会見で発言した4月6日以降の実績も回答。西村氏の平日でのテレワークは、半日行ったのが3回だったという。