ペッパーと学ぶ共生社会 小学校の道徳授業に登場

足立優心
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 神奈川県教育委員会が導入したヒト型ロボットの「ペッパー」が、小学生に思いやりの心や親切について考えてもらうのに一役買っている。

 「ペッパーがみんなと学校で生活することになったらどんなことに困るか」

 5月21日、南足柄市立岡本小学校であった道徳の授業で、4年生の約30人の子どもたちに教諭が問いかけた。

 子どもたちはグループに分かれて話し合った。ペッパーはヒト型のロボットだが、人と同じようには動けない。「字を書くこと」「運動すること」「階段の上り下り」。子どもたちから次々に意見が上がった。

 ペッパーは子どもたちに「段差が苦手」と説明し、街中の段差がある場所を、車いすやベビーカーの写真と共に示した。

 「困っている人を見かけたらどうするか」。ペッパーの問いかけに子どもたちは「大人を呼ぶ」「ベビーカーを一緒に持つ」と口々に答える。「知らない人に声をかけるのは不安」と率直な思いを話す子もいた。

 ペッパーは声かけや手伝いの他に、街中にはスロープや電光掲示板、点字などがあることを紹介。「思いやりや親切には色んな形がある」と生徒に伝えた。

 授業を受けた山崎奏芽(かなめ)さん(9)は「見えないところで困っている人を手伝っている人がいることを学んだ。自分も将来、人を助ける仕事をしたい」。小林輝頼(きら)さん(9)は「町で声をかけるのは不安なので、まずは学校の中で困っている人がいたら助けたい」と話した。

 岡本小学校ではこの日、3年生と4年生の計4学級に向けて授業が行われた。津田千由美校長は「体験を交えて、教科書では学べない価値を学ぶことができたと思う。発達段階に応じて感じることも変化してくる。他の学年の授業でも是非使いたい」と話した。

 ペッパーはソフトバンクが開発したロボットで、共生社会をめざす「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念を普及させるため、県教委とソフトバンクが連携して導入した。

 親しみやすいペッパーを通じて、小学生に差別や偏見について考えてもらうことが狙いで、これまでに平塚市箱根町でも授業を行ったという。(足立優心)