引き立て役だった多田 地元・大阪で頂点に立ち、五輪へ

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堀川貴弘
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 陸上の東京五輪代表選考会を兼ねた第105回日本選手権第2日は25日、大阪・ヤンマースタジアム長居であり、男子100メートル決勝で、多田修平(住友電工)が10秒15で初優勝した。10秒27で3位に入った山県亮太セイコー)とともに五輪参加標準記録(10秒05)を突破しており、2人は五輪代表に内定した。

 山県以外で9秒台の記録をもっている小池祐貴(住友電工)は4位、桐生祥秀日本生命)は5位、サニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)は6位で、いずれも百分の1秒差の大接戦だった。

決まったスタートダッシュ

 雨上がりのトラックに、いつもの通り視線を落とし続けて走った。飛び出しのタイムはトップ。多田修平特有のスタートダッシュがこの日も決まった。

 いつもと違ったのは、後半の失速幅。日本記録保持者の山県亮太にも、桐生祥秀にも抜かれることなく、トップでフィニッシュラインを越え、右拳を突き上げた。10秒15。24日に誕生日を迎えたばかりの25歳が初優勝と、初めての五輪代表の座をもぎ取った。

 レース直後のインタビューでは、目が赤かった。「このところずっと苦しい思いが続いていた。ようやく納得できる結果で感極まりました」

 関西学院大3年の2017年、10秒07をマークし、同年のロンドン世界選手権で準決勝に進出して脚光を浴びた。しかし、その後は記録が出ても10秒1台で、日本選手権も18年から3年連続5位。19年ドーハ世界選手権では400メートルリレーで銅メダル獲得に貢献したものの、100メートルには出場できなかった。

 今季も春先は調子が上がらなかった。それでも、レースに出場し続けて修正を繰り返し、今月6日の布勢スプリントで4年ぶりに自己ベストを更新する10秒01をマーク。「久々の自己ベストで気持ちが楽になった。挫折した時期もあったが、あきらめずにコーチらを信頼してよかった」

 17年に桐生が日本選手初の9秒台を出した時が2位。布勢で山県が日本記録を出した時も2位。引き立て役にとどまらず、いつかは自分が、の思いをずっと持っていた。「今まで以上に集中したレースだった。終盤ははっきり言って覚えていない」。地元大阪で、ついに頂点に立った。(堀川貴弘)

山県「この悔しさは本番で」

 男子100メートルの日本記…

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