リニア工事、山梨工区の工事現場を公開 湧水少なく順調

和田翔太、三ツ木勝巳
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 リニア中央新幹線の建設工事をめぐり、JR東海は先月、山梨工区の工事現場を報道機関に公開した。山梨工区(7・7キロ)は難関工事の南アルプストンネルの一区間で、公開したのは本線トンネル(本坑)などを造るために建設する斜坑。トンネルを掘る際に出る湧水(ゆうすい)も想定より少なく工事は順調という。

 公開されたのは、「広河原非常口」と呼ばれる斜坑。土砂を運んだり、新鮮な外気を送ったりする役割を果たす。トンネル完成後は非常口になるという。広河原非常口の場所は、品川駅から約140キロ、山梨県駅(仮称)から約30キロ西側の早川町新倉地区。地表からの深さを示す土かぶりは約800メートルの地点になる。

 全長は4・1キロ。2017年から掘削を始め、今回、3328メートル掘り進んだ最先端部分に入った。斜坑は幅11メートルで高さ8メートル。斜坑の奥深く先端まで空気を送り込む太いチューブと掘り出した土砂を運び出すベルトコンベヤーが坑口から奥へ延びる。

 トンネルを進み、先端部分に到着した。壁面は水滴がわずかにしたたる程度で、地面や天井はほとんど乾いており、湧水が少ないことが分かる。同社によると、地質が非常に固く、水がたまる亀裂がほとんどないためという。

 掘削面に向かって、3本の大きなアームを持つ作業車が止まっている。アームで掘削面に火薬を埋め込む穴をあけ、爆発させて掘削する。崩れた土砂を運び出し、トンネルの内壁にはコンクリートを吹き付けて固めて、さらに岩盤に打ち込んだ鉄筋をボルトで固定していく。

 昼夜2交代制で作業を進め、1日3~4回の発破で、3~4メートル掘り進む。長いトンネルの場合は、両坑口だけから掘り進めると時間がかかるため、トンネルの途中にこのような斜坑を設けて複数の工区に分けて同時に掘り進める。あと1年ほどかけて残り約800メートルを掘り、先進坑と本線トンネルの工事に入る。

 山梨工区の公開は17年以来で、中川隆広山梨工事事務所長は「広河原非常口は80%の掘削が終了した。粘板岩と砂岩の岩盤が固く、湧水(ゆうすい)も少ないことで、工事は順調に進んでいる」と話した。(和田翔太、三ツ木勝巳)