団結もたらした食卓 サントリーラグビー部支えた栄養士

文・野村周平 写真・長尾亜紀氏
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 高校時代、野球部のマネジャーを経験して「頑張る人を支える」仕事を志した。そして管理栄養士の資格を取り、ラグビーの強豪サントリーを支えてきたのが金剛地舞妃さん(36)だ。食事の重要性を説くだけでなく、食事が楽しくなる工夫を凝らし、選手の信頼を得た。今、活躍の場は広がっている。

 栄養士だけど、調理場にはこもらない。練習中はグラウンドに出て、コーチや選手の様子をつぶさに観察した。「できるだけ、彼らの本質に迫りたい」

 クラブハウスを訪れるのは週1回。選手の食事全てを管理はできないから、最適な食事とは何か、個々と話し合った。それぞれが自ら栄養面を管理できるように独り立ちさせるのが役割。「強くなるため、食事はみんなを助けてくれる」。そんな言葉に促され、選手の意識は格段に高まった。

 群馬県藤岡市出身。野球部のマネジャーをしていた高校時代、甲子園を目指して練習する同級生たちの必死さに心を動かされた。「人を感動させられる人を、サポートする仕事がしたい」

 2013年からチームの管理栄養士に。大男だらけの職場。最初は女性である自分を場違いに感じた。外国選手の郷土料理を食堂で出したり、栄養のクイズを机に張ったりしながら会話を増やした。「食事は最高のコミュニケーションツール」。在籍8年でリーグ優勝2度、準優勝3度を数えた。

 後進に道を譲るために今月、愛着あるチームを離れた。今後はフリーの立場で、宝塚歌劇団に憧れる若者たち、五輪を目指すフェンシング卓球の選手たちの食生活指導などに取り組む。「目標達成に向けて頑張る人々を、これからも支えていきたい」(文・野村周平 写真・長尾亜紀氏)