パソナがひとり親100人採用へ 淡路島の生活、課題は

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宮川純一
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 人材サービス大手のパソナグループ東京都)が、主な本社機能の移転を進める兵庫県淡路島で、小学生の子どもを持つひとり親計100人を雇うプロジェクトを始めた。コロナ禍の影響を受けるシングルマザーらを支援しつつ、淡路島への移住をうながすねらいだという。島での生活はどんなものなのか、これからの課題は――。島内のパソナで働くシングルマザーや専門家に話を聞いた。

 淡路島北部の幹線道路沿いにあるパソナのオフィス。企業内託児施設「キッズスペース」で今月11日の金曜日の午後、幼児2~3人が外国人講師が見守る前で簡単な英語を学んでいた。小学校の終業時間が過ぎると子どもが増え始め、毎日8~20人が利用する。いずれも島で働くパソナの従業員の子どもたちで、利用料は無料。

 ここに娘の希咲(きさき)ちゃん(2)を預ける小林千紘さん(38)は京都から移り住み、今年2月から働き始めた。パソナが昨年夏から始めたひとり親の支援プロジェクトで採用された8人のシングルマザーの1人。元歯科衛生士で、今は正社員として総務の仕事を担当し、島内の同社の寮で親子2人で暮らす。小林さんは「島の生活はとても気にいっている。山や海が近く子どもを遊ばせられる。娘は毎日楽しそう」と言う。希咲ちゃんは家で英単語が口から出てくることもあるという。

 島の4カ所にオフィスを構えるパソナは、島で働く従業員の子どもたちに、学習塾、バレエやピアノ、バイオリンなどの教室も福利厚生サービスとして無料で提供している。取材に行った日、ダンスフロアでは、ベルリン国立バレエ団など世界的に活躍していたバレリーナの針山愛美(えみ)さんが、子どもたちにバレエを教える準備をしていた。

 3月に入社し、3歳の息子をもつ元銀行員の女性(39)も、小林さんと同じひとり親支援のプロジェクトで採用された。今は正社員として、ひとり親社員のサポートなどを担当する。住まいは島内のパソナの寮。食料やクスリ、家具、電化製品など生活必需品はすべて島内でそろうといい、車を持っているが、買い物にはおもに徒歩や自転車で行く。「休日は子どもに自然に触れさせてあげられるのがいい」と言う。従業員は夕食に島の食材を使った弁当を無料で持って帰れるといい、「帰宅して料理しなくていいので、子どもとゆっくり過ごせています」と話した。月5千円を払えば、子どもの昼食と夕食の弁当も持って帰れるという。パソナが、昨夏に立ち上げたひとり親を雇用するプロジェクトで採用した8人は正社員で、6人が島内に住み、2人は島外から通っているという。

今回のパソナの取り組みを専門家はどう見ているのでしょうか? 記事後半では、2人に話を聞きました。

 今回新たに採用する100人は、正社員もしくは契約社員。仕事内容は、パソナが運営する島内のテーマパークや複合リゾート施設の運営や接客・販売のほか、島内での農業、人事や財務経理などの管理部門、パソナが手がける家事代行や保育などの業務。正社員は週5日(1日7時間半)の勤務で、年収が350万~600万円程度。一方、契約社員は6カ月ごと更新で、正社員と同じフルタイム勤務だと、年収は300万円から。パソナ広報は「経験やスキル、希望などの条件に応じて決める」という。採用について「100人全員を正社員にすることも可能」としており、契約社員については、子育てに時間を使いたいなどの希望があって短時間勤務をしたい人らを想定している、としている。

 今回採用する人が島で暮らす…

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