記者サロンに福岡伸一さん ドリトル先生が生まれた旅 

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聞き手・構成 興野優平
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 本紙で連載中の「新・ドリトル先生物語」、その秘密に迫りました。記者サロン「福岡伸一さんにきく~『新・ドリトル先生物語』誕生秘話~」を6月13日にオンラインで開催し、福岡さんが東京・築地の朝日新聞本社スタジオから出演。2600人を超える申し込みがありました。連載の裏話から、興味や関心の広げ方、子どもたちへのメッセージまで、やさしい言葉で福岡さんが語りました。連載を担当する、文化くらし報道部の興野優平記者が聞き手を務めました。

ふくおか・しんいち 生物学者。米ハーバード大学研究員などを経て、現在、青山学院大学教授、米ロックフェラー大学客員研究者。代表作に「生物と無生物のあいだ」「動的平衡」など。

 幼いころより好奇心のおもむくまま掘り下げてきた興味・関心が、思いも寄らぬところで結実してきた半生だったという。

 「人と目を合わせられず、下ばかり見ていた」という昆虫少年はある日、図書館で地味な背表紙の本に出合う。それが「ドリトル先生航海記」だった。動物の言葉を解し、助手のトミー・スタビンズくんとともに世界中を旅するドリトル先生シリーズにたちまち引き込まれ、「航海記」にいたってはのちに自身で翻訳したほどの愛読書となった。

 一方、生物学者(ナチュラリスト)として長年憧れを抱いていたのが、進化論を打ち立てたチャールズ・ダーウィンが訪れていたガラパゴス諸島だった。コロナ禍が広がる直前の昨春に夢がかない、ダーウィンの航路に近い形で島々を回った。ノンフィクション「生命海流 GALAPAGOS」(朝日出版社)に収録した現地での写真などを画面に投影しながら、旅で出合ったユニークな動物たちを紹介した。

 連載は、そのドリトル先生とガラパゴス諸島が意外な形で結びついた。それを福岡さんは、米アップル社の創業者スティーブ・ジョブズの言葉を借りて「コネクティング・ザ・ドッツ」と表現した。ジョブズは若い頃、大学でアルファベットを書道のように書く「カリグラフィー」の授業にもぐり込んだ。それは後年、偶然にもパソコン「マック」の開発に生き、美しいフォントの搭載につながった。

記事の後半では、記者サロンの模様を収録した動画があります。

 福岡さんにとっての「コネク…

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