巨大運河の関連工事始まる トルコ、巨額費用に懸念も

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イスタンブール=高野裕介
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 欧州とアジアを分かつトルコ・イスタンブールのボスポラス海峡に並行する巨大運河の関連工事が26日、始まった。エルドアン大統領は運河をまたぐ橋の起工式で、「我々はトルコの発展の歴史において新たなページを開く」と宣言。ただ、莫大(ばくだい)な費用や環境への影響を懸念する声は根強く、完成までには多くの議論を呼びそうだ。

 全長約45キロ、総工費150億ドル(約1兆6600億円)。エルドアン氏自身が「クレージープロジェクト」と呼ぶ「イスタンブール運河」は、6年以内の完成を目指す。政権は海峡の混雑を緩和して事故のリスクも軽減できるとし、地元メディアによると工事により50万人の雇用を見込めるという。エルドアン氏の支持者には大手建設会社なども多い。

 26日の起工式は運河に架かる橋に関するもので、出席したエルドアン氏は、「この計画はイスタンブールの未来を救う」とアピール。地元テレビは中継で、国旗を手に会場に集まった人たちがエルドアン氏に手を振る様子を伝えるなど、政府の計画を盛り上げている。

「数百万の動植物が消滅する」

 ただ、トルコは経済の低迷が続き、消費者物価の上昇率が15%ほどで推移して市民生活が苦境にある。またボスポラス海峡の通行量は近年、パイプラインの敷設や船舶が大型になったことで減少傾向にある。このため新運河にこれほどの資金を注ぐことや、農地や森林、地下水の汚染などの環境問題を誘発するとの懸念から、計画の実現を疑問視する声も尽きない。

 野党で、イスタンブールのイ…

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