日本野球機構は28日、マイナビオールスターゲーム(7月16、17日)ファン投票の最終発表を行い、セ・リーグでは全11ポジション(投手は先発・中継ぎ・抑えの3人)のうち阪神の7選手が1位を占めた。
外野手の佐藤輝明(22)はリーグ最多得票で、遊撃手の中野拓夢(25)とともに新人2人が選ばれた。阪神では2003年の9人に次ぐファン投票での大量選出になった。
得票数が球界に残してきたインパクトを物語る。佐藤輝の43万5605票はリーグ1位で、全体でもオリックス・吉田正尚に次ぐ2位。40万票台はソフトバンク・柳田悠岐も含めた3人だけで、球界の顔に顔を並べた。
「スター選手がいっぱい集まって、すごい盛り上がるお祭りという感じ。そういう選手が集まる中でプレーできるのはうれしいです」
横浜スタジアムでの場外弾や、新人では長嶋茂雄以来63年ぶりの1試合3発など、数字以上の印象を残してきた。シーズン折り返し前の69試合で打率2割7分7厘、19本塁打、47打点。新人の左打者として19本塁打は1998年の巨人・高橋由伸に並ぶ2リーグ分立後の最多記録だ。
97三振は両リーグ最多だが、その粗さも魅力に映るほどのフルスイングを貫いている。
1学年下のヤクルト・村上宗隆ら、各球団の強打者との交流も思い描いた。「ホームランを打つ選手に、いろいろ話しかけてみたいです。どうやって打っているのか聞きたいですね」。どんなプレーを見せたいかを問われると「やっぱりホームランを一番に見てもらいたい」と言い切った。
今年のオールスターはメットライフ、楽天生命での開催で、佐藤輝は交流戦でいずれもアーチを放っている。
阪神では2003年にファン投票で9人が選ばれたのが最多だ。先発投手の井川慶のほか、捕手の矢野輝弘(現燿大監督)をはじめ野手は全8ポジションで1位。星野仙一監督が指揮を執り18年ぶりにリーグ制覇を果たしたシーズンで、阪神フィーバーが巻き起こった。
今年はそれに近いファンの熱気を感じさせる結果になった。(伊藤雅哉)
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