2枚目の五輪切符でやっと喜べた 女子5000で広中V

辻隆徳
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 陸上の東京オリンピック(五輪)代表選考会を兼ねた第105回日本選手権大会最終日は27日、大阪・ヤンマースタジアム長居であり、女子5000メートルは広中璃梨佳(日本郵政グループ)が15分5秒69で制し、1万メートルに続いて五輪代表に内定した。2位は15分13秒73で新谷仁美積水化学)、3位は15分18秒25で田中希実(豊田自動織機TC)が続いた。

 女子5000メートルは東京オリンピック(五輪)代表内定選手の3人がぶつかった。同種目内定の田中希実(豊田自動織機TC)、1万メートル内定の新谷仁美(積水化学)と広中璃梨佳(日本郵政グループ)。日本女子長距離界を担う選手が集結したレースを制したのは、この種目を得意とする広中だった。

 序盤から持ち味の積極性を生かして前方でレースを進めた。3000メートル付近にさしかかるとオープン参加の外国人選手と共に後続を引き離しにかかり、そのまま15分5秒69の1着でゴールした。

 昨年12月にあった日本選手権女子5000メートルで田中に次ぐ2位となり、内定を取れず、悔し涙を流した。1万メートルで代表に内定しても「主戦場は5000メートル」と言い続けた。本命の五輪代表切符を手にした20歳は誓った。「五輪でも自分らしく、のびのびと力強い走りを見せたい」

 2位の新谷も1万メートルに続いて五輪代表に内定。喜ぶ広中とは対照的に「私は100かゼロなので、今日はゼロ」と不満顔だった。3位の田中は出場した800メートル決勝のわずか30分後のレース。「5000メートルはしっかり粘り切れた3位なので、800メートルの3位よりうれしい」と振り返った。

 まさに三者三様。それぞれの強さを持った3人が五輪の舞台に挑む。(辻隆徳)

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