新田原の騒音、国に賠償命じる判決 自衛隊単独基地で初

平塚学
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 航空自衛隊新田原基地(宮崎県新富町)の周辺住民ら約180人が騒音被害に対する損害賠償などを国に求めた訴訟で、宮崎地裁(小田島靖人裁判長、小島清二裁判長代読)は28日、国に総額約1億1300万円の賠償を命じる判決を言い渡した。夜間などの飛行差し止め請求は退けた。

 民間航空機や米軍が使わない自衛隊単独の基地に対する「爆音訴訟」の判決は初めて。

 原告は、うるささ指数(W値)が75以上の地域で暮らす住民たちで、2017年12月に提訴。空自機の爆音によって家族だんらんの会話が妨げられたり、睡眠が妨害されたりといった精神的な苦痛を受けているなどとして、過去3年にさかのぼって1人あたり月3万5千円の支払いを求めた。

 また、夜間などの飛行の差し止めを求め、差し止めが実現するまでの将来分の賠償も併せて請求していた。

 一方、国側は、住宅への防音工事の実施などで騒音被害は軽減されているなどと主張し、訴えの棄却を求めていた。

 米軍機や自衛隊機の騒音をめぐり、住民が損害賠償や飛行差し止めを求めたこれまでの各地の訴訟では、過去分の損害賠償に限って認める判決が定着している。一方、飛行差し止めと将来分の賠償を命じた確定判決はない。

 新田原基地は、宮崎県中央部の沿岸部に近い台地に、長さ2700メートルの滑走路を有し、航空自衛隊のF15戦闘機を運用する部隊や、パイロットを育成する部隊が配備されている。

 また、基地内では、日米両政府の06年の合意に基づき、米軍が「緊急時」に使うための弾薬庫や駐機場などの建設が現在進んでいる。(平塚学)