免除・猶予609万人で過去最多 国民年金、コロナ響く
滝沢卓
厚生労働省は28日、2020年度に国民年金保険料の支払いを全額免除や猶予された人が609万人で、過去最多となったと発表した。新型コロナウイルスの影響で収入が減ったことが要因の一つとみられる。
国民年金の保険料は前年の収入などが一定の基準を満たすと免除・猶予される。厚労省が自営業者やフリーランス、無職の人など、国民年金の第1号被保険者の状況を集計した。
全額免除・猶予者は過去5年間は580万人前後で推移していた。20年度は前年度の583万人から26万人増えて、609万人となり、これまで最多だった13年度(606万人)を上回った。
昨年5月からは、コロナの影響で失業するなどして、その年の収入見込み額が減少した人向けに、国民年金保険料の全額や一部を免除・猶予する特例が設けられた。この特例では20年度分は約20万件が承認されたという。28日に発表した609万人のデータとは集計方法が異なるため厳密には比較できないが、厚労省はコロナ禍の状況が反映されたとみている。
一方、国民年金の20年度納付率は71・5%で、9年連続で上昇した。この数字に、納付が免除などされている人は含まれていない。(滝沢卓)
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