門限破りで2カ月謹慎…「問題児」は強豪野球部の中心に

高億翔
[PR]

 夏の甲子園3回出場の松本国際(長野県)の「チームの中心」(森田一弘監督)は、少し変わった存在だ。

 「部活をやめようと思います」。最高学年を目前に控えた昨年の冬、林青空(そら)(3年)は森田監督にそう申し出た。

 実家の大阪を離れ、中学の時のシニアリーグの先輩もいた長野に。覚悟を決めた寮生活だったはずなのに、門限破りなどのルール違反を続けてしまった。練習を2カ月間謹慎し、「迷惑をかけたから」と部もやめようとすると、森田監督に「自分勝手なことを言うな」と諭された。

 「少しやんちゃですけど、人を傷つけるようなことはしていない」と監督は周囲に頭を下げてくれたという。「後先を考えず行動してしまっていた」と反省した。迷惑はかけられない、そう思った。

 もともと遊撃手。それが、球威や器用さ、負けん気の強さを買われて、この春から先発投手の一人に抜擢(ばってき)された。

 力の高さを見せたのが、春の県大会につながる中信予選2回戦だ。この予選を制した東京都市大塩尻を相手に好投し、八回4失点。3―4で敗れたものの、夏に向けて手応えはあった。

 かつての“問題児”は、「一番打って、一番投げられる。外せない選手」(森田監督)になった。最後の夏はプレーでチームを引っ張る。「恩返しがしたい」と思っているから。

=敬称略(高億翔)