語り部タクシーは真備を行く 失せる爪痕、消せない記憶

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中村建太
【動画】西日本豪雨の被災地・岡山県倉敷市真備町を走る「語り部タクシー」が、当時の記憶を乗客に語り継ぐ=金居達朗撮影
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 西日本豪雨の被災地を、語り部タクシーが巡る。住民51人が亡くなった惨禍を忘れまいと、岡山県倉敷市真備のタクシー会社が始めた事業だ。死者・行方不明者300人を超す被害からまもなく3年。復興に向かう街で、運転手が「あの日」を語り継ぐ。

 記者は今月16日、語り部タクシーを申し込んだ。案内役は、ドライバー歴10年の三宅佳孝さん(64)。3時間半かけて真備などの被災地9カ所を回った。

 車窓から見える水田の緑がまぶしい。真新しい住宅が目立つ。

 最初に向かった先は、タクシー会社から10分ほどの場所にある総社市下原のアルミ工場跡。7月6日深夜、浸水して水蒸気爆発事故が起き、けが人が多数出た。焦げ付いた工場の骨組みが残る。

写真・図版
浸水で爆発したアルミ工場跡(奥)について話すタクシー運転手の三宅佳孝さん=2021年6月16日午後、岡山県総社市、金居達朗撮影

 「ドドーンと音が響き、ルームミラーは真っ赤。昼間みたいに明るく見えとった」

一周2時間、最後に立ち寄った場所で…

三宅さんが最後にコース外のある場所に立ち寄ります。「ここで一人暮らしのおばあちゃんが亡くなりした」。三宅さんが本当に伝えたかったこととは。

 努めて淡々と語る。当時、三…

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