爆音を耐え続けたが…基地と「共存」の住民が感じた不安

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大野博
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 航空自衛隊新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県新富町)の航空機爆音訴訟で、28日にあった宮崎地裁判決は、周辺住民の爆音被害を認めて国に賠償を命じた。基地と長年「共存」してきた町で、初めて起きた自衛隊単体基地に対する爆音訴訟。住民たちが訴えたのは、先が見えない「基地強化」への不安だった。

 判決の言い渡し後、原告の1人、浜砂金松さん(64)は笑顔で語った。「爆音被害が認められたことは素直にうれしい。まずは一歩を踏み出せた」

 新田原基地のある新富町で農業を営む。ハウスで町特産のズッキーニを栽培し、屋外で作業していることが多い。戦闘機が上空を飛行すると、「バリバリという炸裂(さくれつ)音、雷が落ちたような音」が響く。

 「町外の人に気安く『いつも聞いていれば慣れるんじゃないか』と言われることもあるが、とんでもない。決して慣れることはない。それはすさまじい音ですよ」

防音工事「効果感じない」

 自宅がある場所は、夜間飛行訓練のコースの真下。週2回ほど行われる夜間訓練は午後9時近くまで続くことが多く、爆音が30分間途切れないこともある。壁や天井は、国が費用を負担する助成制度を受けて防音工事が済んでいるが、床の工事は助成の対象外で、防音効果は感じられない。

 「会話が遮られるわ、食欲はおきないわ。夜間訓練がある日は、夕食は午後9時を過ぎてから、と決めています」

 新田原基地は戦後、1957年に設置された。浜砂さんは子どものころ、戦闘機が自宅近くの河川敷に墜落するのを、庭から目撃したことがある。

 「上空でドカンと音を立てて…

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