トイレまで追いかけ、上着に200万ねじ込む 鶏卵汚職

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原田悠自 金子和史
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 元農林水産相の吉川貴盛被告(70)=収賄罪で起訴=に計500万円の賄賂を渡したとして、贈賄罪などに問われた鶏卵大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表・秋田善祺(よしき)被告(87)の初公判が28日、東京地裁であり、前代表は起訴内容を認めた。検察側は、自社や業界の利益のために頼った農水族との癒着の構図を明らかにした。

 アキタ社の売上高は業界2位で、秋田前代表は養鶏団体を実質的に統括する実力者だった。スーツ姿で出廷した前代表は起訴内容について「間違いありません」と答えた。

 検察側の冒頭陳述によると、秋田前代表は2012年に政権に復帰した自民党の議員と関係を深めようと考え、地元選出の河井克行・元法相から西川公也農水相や吉川元農水相の紹介を受けた。盆暮れのあいさつの名目で現金を渡したり、パーティー券を購入したりするようにもなった。

 吉川元農水相が大臣に就いた18年10月、家畜の衛生向上を図る国際機関が「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の理念に基づき、巣箱や止まり木の設置を義務化する飼育基準案をまとめた。日本では鶏をカゴに入れるケージ飼育が95%以上。止まり木などの設置には多額の設備投資が必要で、秋田前代表は自社を含む多くの業者に甚大な経済的打撃を与えると考えた。

アニマルウェルフェア 農水省の一部の賛成を懸念

 秋田前代表が懸念したのは、農水省内で動物愛護の考えを尊重する動物衛生課が基準案に賛成の立場に回ることだった。西川元農水相の仲介で同年11月12日に吉川元農水相と面談すると、同課幹部も同席する中で省として反対するよう求める要望書を提出した。9日後の21日には都内のホテルで「大臣就任お祝いの会」を開催。トイレに立った吉川元農水相を追いかけ、「お祝いです」と言って200万円入りの封筒を上着のポケットにねじ込んだという。

 大臣への直接の要望を受け…

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