人気のESG投信、「名ばかり」に注意 金融庁監督強化
環境・社会・企業統治(ESG)を重視して投資先を選んでいます――。そんな売り文句の投資信託が人気だ。純資産残高は1年間で5倍の2・3兆円に急増。ただ、銘柄選びの基準が不透明な「名ばかりESG」もある。運用成績が必ずしも良いとは言えず、金融庁は目を光らせている。
「コロナ禍で、投資家の期待は想像以上だった」。みずほ証券の飛田幸宣・商品企画部長がそう話すのは昨年7月発売の投信「未来の世界 ESG」。系列運用会社アセットマネジメントONEの商品で、米アマゾンなど8カ国の25社に投資する。販売が絶好調で、保有者は1年足らずで15万、資産残高は1兆1千億円になった。最初から投資していたら評価額は約1・2倍。持続的な成長の期待銘柄に投じているだけに「10年以上の長期運用をしてほしい」と飛田氏。ただ、手数料は販売時が上限3・3%、保有時の信託報酬が年率1・84%と高めだ。
この人気投信に金融庁が昨年12月、疑問を呈した。「より丁寧に銘柄選定の基準などを説明すべきではないか」。組み入れ銘柄が既存投信の「未来の世界」と9割も重なり、それらがESGにどう取り組んでいるのか不透明。「名ばかりESG」とも見える商品性に対する異例の注文だった。
みずほ側は1カ月後、商品説…
【視点】 米アマゾンがESG銘柄なのか?というのが、米国で同社をめぐる様々な問題を取材してきた身としては、率直な疑問です。E(環境)やG(ガバナンス)という点では確かに優れた点もあるのかもしれませんが、S(社会)という面では、従業員の扱いや地域社会
【視点】 ESGやSDGsへの関心が高まっていますが、しっかりとした基準をつくらないと「名ばかり」が横行してしまいます。「名ばかり」や、サステナブルな「ふり」をするだけの「ウォッシュ」が横行してしまうと、ESGやSDGs自体への信頼もなくなってきて