フェイスブック独禁法訴訟、連邦地裁が却下 当局に痛手

ワシントン=青山直篤
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 米ワシントンの連邦地裁は28日、米連邦取引委員会(FTC)が米フェイスブック(FB)を反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで訴えた訴訟について「法的に不十分」として訴状を却下した。各州などの当局がFBを訴えた訴訟については、訴えを起こすのが遅すぎるとの理由で棄却した。FTCは訴状を再提出できるため、訴訟は継続する見通しだが、巨大IT企業への規制強化を目指す米当局には痛手となる。

 FTCと計48の州・特別区などの司法当局は昨年12月、FBによる写真投稿アプリ「インスタグラム」やメッセージアプリ「ワッツアップ」などの買収が、将来性のあるライバル企業を取り込んで競争を阻む行為だとして提訴していた。

 これに対し、ワシントン連邦地裁のボースバーグ判事は28日に示した意見書で、「FTCは、FBが個人向けSNS市場で独占力を得た、という主張を立証するに足る事実を示していない」と指摘。FTCが望めば、30日以内に修正した訴状を再提出することができるとの判断を示した。

 一方、州などの訴訟に対しては、インスタグラム、ワッツアップの買収がそれぞれ2012年と14年になされたのに提訴が遅かったことを棄却の理由に挙げた。FBなど「GAFA(ガーファ)」と呼ばれる巨大IT企業に対し、より強い規制を求める声は米国でも党派を超えて広がりつつあるが、今回の司法判断は逆風となる。(ワシントン=青山直篤)

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