姉妹はなぜ地獄と天国に裂かれたか 30年ぶり金星探査

有料会員記事

合田禄=ワシントン、小川詩織
[PR]

 地球と似た大きさと重さから姉妹の惑星とも言われる金星。美と愛の女神「ビーナス」の名前を持ち、かつては気候も地球のように温暖だったとされるが、温暖化が進み過ぎた結果、いつしか地表は460度、92気圧という「地獄のような世界」になった。何が姉妹の命運を分けたのか。米国は今月、新たな二つの計画を採択し、探査に乗り出した。日本の探査機「あかつき」も観測を続けている。

 「金星は気候変動の歴史書を読むためのロゼッタ・ストーンだ」。米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センターのジェームズ・ガービン博士は今月、古代エジプト象形文字を解読する強力な手がかりとなった石柱を例に、1990年代以来、約30年ぶりとなるNASAの新たな金星探査計画の意義を語った。

 計画では、2028~30年に2機の探査機を打ち上げる。1機目の計画は金星の大気を探査する「ダビンチ・プラス」で、小型の探査機を金星の地表に着陸させる。

 ただ、火星への着陸を繰り返し成功させてきたNASAをもってしても、金星の地表への着陸は困難を極める。太陽に近く、大気がほぼ二酸化炭素という金星の地表は、温室効果によって460度の高温に。気圧は地球の深海900メートルにあたる92気圧に達する。上空を覆うのは硫酸の雲だ。

 過去に、旧ソ連や米国の探査…

この記事は有料会員記事です。残り982文字有料会員になると続きをお読みいただけます。