球児の夢はお笑い芸人 舞台慣れした強心臓と遅球が武器

高億翔
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 篠ノ井長野県)の「守護神」は、物おじしない強心臓の持ち主だ。

 昨秋、校内行事の開会式で同じ野球部員と漫才を披露し、全校生徒の笑いをかっさらった。「マウンドにいる時の緊張と比べれば大したことない」と丸山航世(3年)はいうが、投球でも度胸の良さを発揮する。「遅球」が武器だ。

 横手投げから繰り出す直球は110キロ台にとどまるが、さらに遅い変化球との緩急で勝負する。痛打を恐れずスローボールも投げ込む。上手投げで最速137キロの速球派、浦野青空(2年)が先発するから、球速差のある2人の継投は相手打線にとってやっかいだ。

 「制球が良く、安定感があって大崩れしないので、助けてもらっています」と浦野。チームは春の大会で北信地区予選を3位で勝ち抜き、16チームで争う県大会に進んだ。

 丸山の夢は、野球ではなくお笑いの方。「芸人になりたい」という。昨年、コロナ禍の休校期間中に動画アプリでお笑い芸人のネタを見続け、将来の目標になった。お笑いコンビの千鳥やダウンタウンの出演番組を欠かさず見る。

 お笑い好きだって努力は怠らない。下半身を鍛えようと、冬場はグラウンドの両翼ポール間を1日40本走り、軸足を意識した投げ込みを重ねた。目標の8強入りには、丸山の好救援が欠かせない。「どんな状況になっても抑えれば評価される役割。笑わせられるか、というシンプルな点でお笑いと似てる気がします」

=敬称略(高億翔)