盛況シェアオフィス、元は町工場 地方の空き家リノベ術

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林将生、上田学
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 空き家などの遊休不動産を活用し、地域活性化を仕掛ける「リノベーションまちづくり」に、注目が集まっている。人口減と少子高齢化にあえぐ地方自治体を再生する取り組みだ。民間主導で持続可能な新たなまちづくりをめざし、各地で挑戦が続く。

縫製工場→町の倉庫→交流拠点

 電車は1時間に1本くらい、デパートも高校も無い。福島県国見町のJR藤田駅前に2年前、新たな町民の交流拠点「アカリ」ができた。本格的なシチリア料理店に、シェアオフィスやスタジオを併設する。

 2階建ての建物は、かつては縫製工場だった。廃業後は町が所有し、古い資料を置く倉庫になっていた。

 アカリは「知の複合施設」を掲げ、シェアオフィスには地元のイラストレーターやITコンサルタントが入居する。無料のコワーキングスペースや図書室もある。今年3月までに全8部屋が埋まり、4月に2部屋を増築した。6月には町が運営する学習塾もできた。アカリのオーナーの上神田(かみかんだ)健太さん(35)は「多様な価値観や人に触れる場になれば」と話す。

 上神田さんは岩手県普代村出身。「国見よりもはるかに田舎」で、変化に乏しい地元の姿を見て、大学で都市計画を学び、東京都庁に7年間勤めた。希望のまちづくり関連の部署につけず、個人でまちづくりの研究を続けた。2016年に妻の出身地である国見町に移住し、18年に古い倉庫の民間活用を公募していると知り、企画が採用された。

 アカリの最大の特徴は、補助金を一切使わない経営方法だ。

 建物を所有する町と賃貸契約…

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