楽天市場、原則「送料無料」に 独禁法違反の指摘も

益田暢子
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 楽天グループは7月から、ネット通販サイト「楽天市場」の出店者に対し、商品数などを定めた契約を変更する際、一定額以上購入した利用者への送料を無料にする仕組みへの参加を原則条件にすることにした。楽天側は「強制ではない」としているが、独占禁止法違反の疑いがあるとの指摘も出ている。

 楽天市場の既存の出店者がサイトに登録する商品数などを変更する場合、7月以降は、税込み3980円以上購入した利用者への送料を無料にする仕組みへの参加が原則条件となる。楽天の広報担当者は「参加したくない出店者がいれば、参加しないことも含めて個別で相談に応じる」としている。楽天はこの制度変更を出店者に事前に知らせないまま、5月10日から始めようとしたが、反発を招き、「事前告知が不十分だった」として導入を7月まで先送りしていた。

 楽天では、新たな出店者に対してはすでに、同様の送料無料化を出店の条件にしており、昨年末時点で全店舗の約85%が送料無料を導入している。2019年には既存の出店者も含めて一律で送料無料を義務化しようとしたが、公正取引委員会が問題視。20年2月、独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いがあるとして、東京地裁に緊急停止命令を出すよう公取委から申し立てられ、同3月、導入を見送った経緯がある。

 今回の制度変更についても、出店者の任意団体「楽天ユニオン」の顧問を務める川上資人弁護士は「契約内容を変更することで、送料分の負担が課せられるのはおかしい。楽天の経営判断が店舗側に押し付けられており、独禁法の優越的地位の乱用に当たる」と指摘する。公取委は「楽天の送料無料策については引き続き調査しているが、個別事案については回答を差し控える」としている。(益田暢子)