広がるタンデム自転車の公道解禁 ルール知らねば危険も

森下友貴
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 サドルとペダルが二つある2人乗りのタンデム自転車が、7月1日から埼玉県内の公道で走れるようになる。目の不自由な人も楽しめる乗り物で、東京パラリンピック自転車競技でも使われる。ただ、普通自転車とはルールが異なるため、注意が必要だ。

 タンデム自転車は、前後に並んで乗った人が同時にペダルをこいで動かす。後席に乗る人はハンドル操作がいらないため、目が不自由な人も楽しむことができ、障害者の移動手段の幅を広げることも期待されている。健康増進や観光振興などを目的に全国で全面的な公道走行の解禁が進んでおり、埼玉県を含めると42道府県に広がる。県内でも、関係団体などから公道走行解禁を求める声が寄せられていたという。

 熊谷スポーツ文化公園(熊谷市上川上)では4台のタンデム自転車を所有している。有料(1時間500円)だが、休日を中心に家族連れやカップルを中心に月に40回ほど貸し出しているという。同公園企画運営課の羽渕大樹さんは「乗っている2人のコミュニケーションが大事」と楽しむコツを話す。

 県警交通総務課によると、今回の解禁は県道路交通法施行細則の一部改正にともなうもの。ただ、普通自転車は「自転車通行可」の標識がある場合や普通自転車通行指定部分の道路標示がある場合は歩道を通行できるが、タンデム自転車は通行できない。

 安全面はどうか。

 タンデム自転車は協力し合って操作する楽しさがある一方、全長が長く重量も重くなるため、一般的な自転車と比べて小回りが利かず、バランスを保つのが難しいとされる。また、2人分の力でペダルをこぐため速度が出やすい。車を運転している際に普通の自転車と同じ感覚で追い越そうとすると危険な場合もある。

 交通安全の問題に詳しい東海大の鈴木美緒・准教授は「現状では交通ルールを熟知し訓練された方が運転している場合が多いので、事故の話はあまり聞かない」と言うが、「きちんと運転操作ができることを前提に、普通自転車とは違うルールを熟知することが重要だ」と指摘している。県警も、十分な練習やヘルメットの着用を呼びかけている。(森下友貴)