吹き出し・コマ・風刺… 漫画は江戸戯画から始まった?

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西田理人
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 世界を魅了する日本の漫画文化。だがその起源については国宝「鳥獣戯画」から手塚治虫まで諸説ある。今年3月に亡くなった漫画・風刺画研究家の清水勲さんは「江戸時代から始まる300年史」を構想していた。「大衆メディア」となった戯画を、漫画の祖とする歴史観だ。

 神戸で開催中の企画展「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」は、元京都国際マンガミュージアム研究顧問の清水さんが監修した最後の展覧会。江戸時代の浮世絵などに描かれたユーモアあふれる戯画を、「漫画的な表現の出発点」とする。

「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」は、神戸市東灘区の神戸ゆかりの美術館で7月18日まで開催中です。

 江戸時代の風刺表現である戯画には、漫画におなじみの「吹き出し」や「コマ」といった技法がたびたび表れる。たとえば作者不詳の「浮世ハ夢だ夢だ」。剣豪として名を立てたり、芸者遊びをしたり――。そんな男の妄想が、口のあたりから煙のようにモクモクと立ち上る。一方、画面にはこうも書かれている。「寒い晩だ。もう一杯やりたいが金がない」。夢ははかなく、現実は厳しい。

 表現上の技法からカリカチュア的な批判精神まで。会場を歩けば、戯画と漫画を結ぶ要素がいくつも見つかる。ただ、清水さんが強調したのはむしろ「メディア史」の視点だった。

 木版技術が発展した江戸時代…

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