無人の冷凍ギョーザ店、コロナ禍で人気 キャベツは多め

井上正一郎
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 「無人の冷凍ギョーザ店」の出店が、関西で増えている。コロナ禍で、「家飲み」の際に調理が簡単な上、店舗で店員との接触を回避できることなどから、人気が出ているようだ。

 大阪府羽曳野市で5月27日にオープンした「餃子の雪松」の無人店舗。店内には大型の冷凍庫が二つ並ぶ。客は冷凍庫から商品を取り出し、さい銭箱の形をした箱に代金を入れて買う。24時間営業で、防犯カメラなどのセキュリティー対策がとられている。

 同店のギョーザはキャベツの量が多く、皮のもちもちとした食感も特徴だ。36個入りで1千円(税込み)。オープン初日は客が絶え間なく訪れた。

 近所の50代主婦は「コロナ禍で外食ができず、たまには人が作ったものを食べたいと思って来た。好きな個数を好きな時に食べられるのがいい」と話した。

 「雪松」は、約80年前に群馬県の温泉街で創業した老舗「お食事処 雪松」のギョーザを継承。運営する「YES」(東京都国分寺市)によると、同社の無人店舗は2019年に東京で初出店して以降、現在では全国で約180店舗に上る。5~6月に大阪、兵庫、滋賀の各府県で計20以上オープンした。同社マーケティング部長の高野内謙伍さんは「コロナ禍で、店員との接触がなく、滞在時間が短くて済むことも、好評です」と話す。

 他にも、ラーメンチェーン店を展開する「アストジャパン」(大阪府大東市)が今年、冷凍ギョーザの無人店舗「ふくちぁん餃子」を立ち上げ、関西中心に出店を増やしている。2月に神戸市で無人店舗1号店をオープン、5~6月も大阪府兵庫県で出店した。同社担当者の桜井久至さんは「こんなにニーズがあると思わなかった。時流と合致した」と話す。

 日本冷凍食品協会の今年2月の実態調査(1250人が回答)で、「1年前に比べ、利用頻度が増えた冷凍食品」は、ギョーザが最も多かった。同協会広報部の担当者は「コロナ禍で家での食事が増える中、調理が簡単で味の良い商品が多いギョーザに、人気が集まったのでは」と分析する。

 無人店舗を含む小売りの企業のマネジメントに詳しい神戸大学大学院経営学研究科の森村文一准教授は「無人店舗は、品ぞろえを限定すれば小さな坪数でよく、人件費や設備費を抑えることができ、利幅が大きい。利用者側も、レジに並ばず買えるメリットがある」とみる。その上で「自宅で食事をするコロナ禍の生活とマッチし、無人店舗が急増したのではないか」と話している。(井上正一郎)