カカオ栽培やレアメタル採掘 児童労働、10人に1人

編集委員・北郷美由紀
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 今年は国連が定める「児童労働撤廃国際年」だ。いったい、何が問題となっているのか。今後、国際機関はどのように対応していくのか。Q&A方式でまとめた。

 Q そもそも児童労働の問題ってどんなもの?

 A 子どもが大人のように働き、教育を受ける権利や健やかに成長する機会を奪われている問題だ。15歳未満の労働や18歳未満が危険で有害な仕事に就くことは、国際条約や法律で禁止されている。けれども守られていないんだ。

 Q どのくらい深刻なのかな。

 A 実は国際労働機関(ILO)と国連児童基金(UNICEF)による4年に1度の調査結果が出たばかりなんだ。それによると、世界の5~17歳の10人に1人にあたる1億6千万人が児童労働者だと推計された。これまで減少傾向にあったけれど、初めて逆転し840万人も増えた。7割が農業に、2割がサービス業、1割が製造業に従事している。

 Q 私たちの暮らしにも関係しているの?

 A そうなんだ。カカオやパーム油の元の植物の栽培や、携帯電話に使われる金属採掘などで、子どもが働いている。手にした商品の元をたどると児童労働に行き着くことを、まずは知っておきたいよね。

 Q 商品を選ぼうにも、選択肢や情報がなければお手上げだけれど。

 A そこは企業が責任を持って対応する必要がある。メーカーであっても、原料の調達から製造・加工、流通という全体で児童労働がないかを調査し、対応していくことが求められているよ。

 Q 子どもが働かざるをえない貧困状況も、何とかしないといけないね。

 A その通り。だから国連は、地球規模の課題解決に向けたSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを訴えている。児童労働撤廃の期限は、他の目標より5年早い2025年としており、大胆な資金の投入が提案されているよ。

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