6人は希望の光、一本負けでも 肩組み励まし合った混合難民選手団

柔道

波戸健一
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 生まれや居住地、話す言語だけでなく、柔道着のメーカーもばらばらな6人が、肩を組んで円陣を作った。難民選手団にとって今大会唯一のチーム種目となる五輪初実施の柔道混合団体戦は、初戦でドイツに0―4で敗れた。

 全員が一本負けの完敗だった。それでも互いに背中をたたき合って気合を入れ、畳の脇から拍手を送って仲間を鼓舞した。4人目に登場した女子63キロ級のシリア出身、オランダ在住のムナ・ダフークは「ナーバスだった私を、みんなが励ましてくれた。試合は落ち着いてできた」と仲間に感謝した。

 難民選手団は12競技に男女29選手が出場している。選手団長が新型コロナウイルスに感染し、一時は大半が事前合宿地のドーハに足止めされたが、全選手が無事に来日を果たし、柔道は講道館で練習していた。

 柔道でリーダー的存在だった男子90キロ級のポポレ・ミセンガは5人目で待機していたが、最初の4人で勝負が決したため出番がなかった。内戦が続いたコンゴ民主共和国の出身。2013年、リオデジャネイロでの世界選手権の際にブラジルに亡命し、16年リオ五輪に難民選手として出場した。「僕ら難民が五輪に出たいと言ったら、昔はバカにされた。まだまだ難民には人権がない。自分たちが夢を与える存在になりたい」と、3年後のパリ五輪へ意欲を見せる。

 ステファン・パティソン副団長は「彼らは全てを失ってきた。希望のない日々の中で、旅ができ、試合ができるスポーツが希望の光になっている」と訴えた。(波戸健一)