史上最強チーム、薄氷の4強 影潜めた久保のドリブル、想定外の苦戦

サッカー

勝見壮史
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 延長でも勝負がつかず、迎えたPK戦。東京オリンピック(五輪)サッカー男子の準々決勝。日本の4人目、主将のDF吉田麻也が冷静にゴール左に蹴り込んだ。青いユニホームの歓喜の輪が広がった。

 相手は、8強で最も格下と見られたニュージーランド。予想外の苦戦だったと言っていい。実際、1次リーグ3連勝で突破を決めたフランス戦後、吉田はこう言って同僚の気を引き締めようとしていた。「他の競技でも、メダルが確実という人も負けている。まだ何もつかみ取っていない」

 その心配は現実となった。

 球を保持したのは日本。ただ、パス回しの起点となる田中碧遠藤航の守備的MFがマークされた。試合のテンポは上がらず、ニュージーランドが望んだスローペースの展開に持ち込まれた。

 強豪に挑んだ1次リーグから、研究され、対策を練られる側に。「ここからは一発勝負。何があるか分からない」。そう言っていたMF久保建英(たけふさ)も、3試合連続ゴールを決めた1次リーグでの勢いが影を潜め、シュートの精度を欠いた。

 海外組が主力を占め、史上最強と言われる今回のチーム。運にも左右されるPK戦までもつれ込んだ末、準決勝に残った。1968年メキシコ大会の銅以来のメダルへ、「良薬」となる120分間だったと思いたい。(勝見壮史)