山県・多田・小池、調子戻せず重い走り 400リレーにかける

陸上

堀川貴弘
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 東京オリンピック(五輪)第9日の31日、89年ぶりの決勝進出どころか、出場3選手がすべて予選落ち。陸上男子100メートルは予想外の結果に終わった。

 五輪3大会連続出場で過去2回とも自己記録を出した山県亮太でさえ「すごい緊張しました」と振り返った。3人が3人とも100メートルを走り抜けたというより、ようやくフィニッシュラインに到達できたという重い走りだった。

 10秒15で4着に沈んだ山県は「中盤から後半が苦しかった。スタートでもっと楽に飛び出したかったが、調整の問題かな」と敗因を口にした。

 6月上旬の布勢スプリントで9秒95の日本記録を出した時の疲労がなかなか抜けずにいた。3位に終わった日本選手権後も「体がスカスカで力が入らない感じ」ともらし、「体を取り戻す作業で必死。五輪本番まで時間が足りない」と焦りをにじませていた。

 10秒22に終わった多田修平小池祐貴。多田は、得意のスタートで体の起き上がりが早く、日本選手相手ならトップにいるはずの前半で他選手に前に出られ、とたんに体が固まった。「自分のレースに集中できず完全に力んで終わった」と悔やんだ。小池は「ウォーミングアップでちょっと体に力が入っていないなと感じた。予選はこんなもんかなと思っていたんですが……」と眉をひそめた。

 結局、史上最高レベルで代表を争った日本選手権で3人とも力を使い果たした感じは否めない。

 確かにレベルは高かった。2016年リオデジャネイロ五輪では10秒20で予選を突破できた。前回は予選で9秒台をマークした選手はいなかったが、今大会は4人が記録した。コロナの影響もある中で、世界の選手はきっちりこの大会に調子を合わせてきている。

 1984年のロサンゼルス五輪以降、必ず1人は次のラウンドに進んでいた日本短距離陣。この悪夢を振り払うには、400メートルリレーでの躍進あるのみだ。(堀川貴弘)