森保監督「PKキッカーは名乗りを」 挙手の4人が示したチームの今

サッカー

勝見壮史
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 チャンスを逃しては、ピンチ。息をのむ展開が続いた東京オリンピック(五輪)サッカー男子準々決勝の延長戦。終了が近づく中、日本の森保一監督はPKのキッカーについて考えを巡らせていた。疲労度はどうか、蹴る覚悟はあるか……。迷い、決断した。

 「名乗りを上げる勇気、自分が決めて勝ちきってやるという思いを大切にした」。ベンチ前で作った円陣で、立候補を募った。

 1番手に手を挙げたのはFW上田綺世(あやせ)。チームの初陣だった2017年12月の国際大会、敗れた決勝のPK戦で外している。この夜は途中出場で決定機を逃していた。「自分が決めてチームを勢いづける。それしかできないと思った」。ゴール右に強烈に決めた。

 相手2人目のシュートを防いだGK谷晃生、上田に続いて決めたDF板倉滉とDF中山雄太。この世代を長く支えてきたメンバーだ。4人目、勝負を決めたキッカーは、オーバーエージ枠で加わったDF吉田麻也。若手がそれぞれの持ち味を地道に磨き、最後、ベテランが加わってチームを束ねた。そんな東京五輪への道のりが凝縮されたようなPK戦だった。

 粘り強いニュージーランドの守備の前に、今大会、最も苦戦を強いられた一戦を乗り越えた。2大会ぶりの準決勝進出。「みんなでつなげて、次に進めた」。森保監督のマスク越しに笑顔が透けていた。(勝見壮史)