レスリング皆川博恵、33歳で未踏の頂へ 家族に見せたいあの光景

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金子智彦
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 父がぼそっと言った言葉が心に引っ掛かった。

 「このパスポートは試合を見に行くために取ったんだけどなあ」

 28歳で大けがをして、一度はあきらめたオリンピック(五輪)。

 東京オリンピック(五輪)レスリング女子76キロ級の皆川(旧姓・鈴木)博恵をマットに引き戻したのは家族の言葉だった。

 京都府出身。レスリング経験者で、高校教諭の父・秀知さん(70)の下、ハイハイの時期からマットで遊んでいた。

 「負けず嫌いで、自分でできるまで徹底的にやり、途中で投げ出さない。一輪車でも剣玉でも、達成できるまで黙々とやっていた」と秀知さんは振り返る。

 中学、高校、大学と日本一に輝いたが、シニアの戦いでは苦戦した。72キロ級で、アテネ、北京五輪2大会連続銅の浜口京子を追い越すことはできなかった。

 地道に努力を続けてきて迎えた2015年8月。リオデジャネイロ五輪の代表権がかかる世界選手権の3週間前だった。

 左ひざ前十字靱帯(じんたい…

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