日銀短観、大企業製造業で高水準 ワクチン接種で輸出増

細見るい
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 日本銀行が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標の大企業・製造業の業況判断指数(DI)が前回3月から9ポイント改善して14となった。2018年12月調査で19となって以来、2年半ぶりの高水準。新型コロナウイルスのワクチン接種が進む米国など海外経済の回復を受け、輸出の増加が景況感を押し上げている。

 DIは景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた指数。大企業・製造業の改善は4四半期連続。コロナ危機により、20年6月にマイナス34とリーマン・ショック後の09年6月(マイナス48)以来の低水準までいったん落ち込んだ。ただ、その後は改善し続け、21年3月の前回調査でプラスに転じていた。

 一方、大企業・非製造業は前回から2ポイント改善し、1となり、これも4四半期続けての回復。プラス圏になったのは5四半期ぶり。緊急事態宣言の対象地域が5月半ばに広がるなどしたものの、「宿泊・飲食サービス」や、映画館などの「対個人サービス」は改善した。国内では高齢者から働く世代や若者へとワクチン接種が広がっていることから、これらの業種では9月の先行きも大幅な改善が見込まれる。

 短観は、3カ月ごとに約1万社の経営者らに景況感や投資計画を聞いた調査。業況判断DIは自社の景況感について「良い」「さほど良くない」「悪い」の3択で答える。例えば、約2千社(20%)が「良い」、約4千社(40%)が「悪い」と答えると、DIは20から40を引いたマイナス20となる。(細見るい)