韓国・京畿道の知事が大統領選出馬へ 与党の最有力候補

ソウル=鈴木拓也
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 韓国の首都ソウルに隣接する京畿道の知事を務める李在明(イジェミョン)氏(56)が1日、来年3月の大統領選に立候補する意思を表明した。進歩(革新)系与党「共に民主党」の最有力候補と目される。世論調査では「政権交代」を掲げて出馬表明した尹錫悦(ユンソクヨル)・前検事総長(60)に次ぐ支持を受けている。

 李在明氏はこの日、出馬表明の動画をユーチューブなどに投稿した。「間違ったことは直し、より有能な民主党政権、より新しい李在明政権として国民の前に立つ」と訴えた。政策面では、政府がすべての国民に一定の現金を定期支給して最低限の所得を保障する「ベーシックインカム」の導入や、雇用の安定などによって格差の是正を目指す考えを強調した。

 貧しい家庭で育った李在明氏は、小学校卒業後に工場で働きながら検定試験で高卒資格を取得。奨学金を得て大学を卒業し、弁護士になった。2010年にソウル近郊の城南市の市長に当選。17年の前回大統領選にも挑戦したが、党の予備選で文在寅(ムンジェイン)大統領に敗れた。18年から京畿道知事を務め、文氏とは距離を置く。

 日本に対しては「(朝鮮半島を)武力で占拠した侵略国家」「敵性国家」と発言するなど、強硬な姿勢が目立つ。最近も、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出方針を決定した日本政府を「人類と自然への重大な犯罪」と批判した。

 世論調査機関リアルメーターが6月24日に発表した次期大統領候補を問う調査によると、李在明氏の支持率は22・8%で、トップの尹氏(32・3%)に次ぐ。共に民主党内では、文政権で要職を務めた李洛淵(イナギョン)前党代表(68)や丁世均(チョンセギュン)前首相(70)を圧倒する。

 同党は7月に党内選挙を始め、9月10日までに候補を選ぶ方針。ただ、李在明氏に対抗するため、文氏に近い党内の「親文派」を中心に候補者の一本化を目指す動きもある。(ソウル=鈴木拓也)