野球部助っ人は冬競技で全国経験 監督うなる足腰の強さ

高億翔
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 米大リーグを舞台に、大谷翔平選手が投打で活躍を続けている。信州の高校にも、二つ、時には三つの役割や立場で活躍する野球部員がいる。7月3日開幕の第103回全国高校野球選手権長野大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)を前に、そんな「二刀流」で奮闘する高校生を追った。

 6月、長野県木島平村にある下高井農林の室内広場。練習前の準備運動で、野球部員が笑い声をあげていた。

 中心には、チームのムードメーカー、高島颯大(3年)がいた。入部したのは4月だ。もともとはスキー部。春の県大会につながる北信支部予選を前に部員不足で悩んでいた野球部から、「助っ人」を頼まれた。

 スキーは、10キロを走るクロスカントリースキーで今年、高校総体に出場したほどの実力がある。藤巻善之監督(44)は「足腰が強く、身体能力が高い」。それでも、「本職」のスキーは10年以上の経験があるが、野球は小学校で3年間やっただけ。思わぬ「助っ人」依頼に、「正直言ってやりたくなかった」。

 心変わりは、「ミスした時に声を掛け合うとか、支え合う感じ」という団体競技の良さを感じたから。今では、「みんなで野球をするのがとにかく楽しい」と言うほどだ。

 ほとんどぶっつけ本番で臨んだ支部予選は、右翼を守り、打順は8番。「(打席で)変化球にびびった」といい、内野ゴロを打つのがやっとだった。チームも1回戦で敗退した。

 夏はもっと楽しみたい。「守備の時に、相手打者を威嚇する感じで声を出そうと思っています」

=敬称略(高億翔)