台湾、習氏の演説に冷静反応 「台湾の民意尊重すべき」

台北=石田耕一郎
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 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権で対中政策を担う行政部門「大陸委員会」は1日、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が結党100周年の式典で行った演説で「(台湾の)完全統一を実現することが共産党の歴史の任務」としたことについて、「台湾人は中国が一方的に唱える『一つの中国』を拒んでいる。北京当局は現実を直視し、台湾の民意を尊重すべきだ」とする声明を出した。ただ、声明の内容に目新しさはない。蔡政権にとって、習氏が台湾に言及した部分が限られるうえ、内容も予想を超えるものではなかったためとみられる。

 習氏は2019年1月の演説で、香港で採用した「一国二制度」の台湾への適用を主張。台湾の独自性を重視する蔡政権は、この姿勢に猛反発してきた。

 同委は声明で「民主主義や自由、人権は台湾社会が堅持する『核心的価値』で、中国の専制体制とは大きな差がある」と指摘。習氏がこの日の式典で繰り返した「歴史をかがみとする」という言葉に言及し、「歴史のありがたさは、過ちを教えてくれることだ。中国は本当の意味で歴史をかがみとし、政党間競争のある民主政治を進め、人々の求める民主化を実現すべきだ。また、対外的に弱い者いじめととられる行為をやめる必要がある」と批判した。(台北=石田耕一郎)