金正恩氏、「重大事件」発生と非難 側近解任の可能性も

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ソウル=神谷毅
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 北朝鮮金正恩(キムジョンウン)総書記は6月29日、朝鮮労働党の政治局拡大会議を開き、新型コロナウイルスの非常防疫対策をめぐって幹部に怠慢があったとして、「国家と人民の安全に大きな危機をもたらす重大な事件」が起きたと非難した。朝鮮中央通信が30日、報じた。幹部の解任も決めた。正恩氏の側近だった可能性も指摘されている。

 正恩氏は「党が(1月の党大会で)決めた重大課題の貫徹にブレーキをかけるのは、幹部らの無能と無責任のためだ」と強く叱責(しっせき)。医療態勢が十分でない北朝鮮は昨年1月から、中朝国境を封鎖することで防疫対策としており、人々の移動も厳しく制限している。報道は「重大な事件」の具体的な内容について触れていないが、韓国政府や専門家は防疫をめぐる不備ではないかとみている。

 拡大会議では、政治局常務委員や政治局員、党書記という党指導部の人事も行われた。指導部は1月の党大会でメンバーを固めたばかりで、この時期の入れ替えは異例といえる。

 韓国政府や専門家が会議の映像などを分析したところ、核ミサイル開発を担う李炳哲(リビョンチョル)書記や朴正天(パクジョンチョン)軍総参謀長らが挙手をするべき時にしていなかったり、うつむいたりしていたことから解任の可能性を指摘する。党の科学教育保健担当の秘書は席にいなかった。

 北朝鮮の元高官も「核ミサイ…

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    箱田哲也
    (朝日新聞論説委員=朝鮮半島担当)
    2021年7月3日0時15分 投稿

    【視点】 「重大な事件」とは何か。公式には、新型コロナ感染者がいまだにいないとしている北朝鮮が、ついに確認されたと認めるのか。  思わせぶりな表現を使うことが多い北朝鮮の公式メディアだが、最近の表現には余裕がなく、かなり切迫した感がにじむ。