7万円の鑑定費用を節約 路線価、10年で4万地点減少

中野浩至
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 1日に国税庁が公表した2021年分の路線価は、新型コロナウイルスの影響で、全国平均では6年ぶりに下落していた。

 路線価を算定するための調査地点は、国土交通省が毎年3月に公表している公示地価と比べて10倍以上ある。きめ細かい調査をもとにした土地の評価が公的に公表されるため、各地の不動産取引で参考にされることも多いが、近年はその地点が少しずつ減っている。

 道路ごとに設定される路線価は、国税局が選んだ標準的な土地の鑑定価格をもとに算定されている。1日公表分の路線価のもとになった調査地点は約32万5千地点。2万6千地点だった公示地価の12倍超だが、10年前の2011年公表分との比較では約36万9千地点から約4万4千地点の減少となっている。

 都心部のように少しでも場所が変わるだけで価格が上下するような場所では、きめ細かく調査して路線価を設定する必要がある。ただ、国税関係者によると、調査地点の鑑定には、1地点あたり最大約7万円の費用がかかるという。

 こうしたコストを減らすために国税庁が進めているのが、自治体が算定している固定資産税評価額を活用する方式への切り替えだ。大字単位などの地域ごとに一定の倍率を設定して固定資産税評価額に乗じる仕組みを使うよう、12年から進めてきた。路線ごとに土地の価格が大きく変わらない地域が主に選ばれている。

 7年間で調査地点が約26%減った長野県。同県不動産鑑定士協会の畔上豊会長は「不動産業者からは取引がやりにくくなった、という声が出ている。地方ほど路線価が姿を消すスピードは速いだろう」と話している。中野浩至