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インドネシアで感染急増 酸素高騰、日本人も入院待ち

新型コロナウイルス

半田尚子
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 新型コロナウイルスの新規感染者の急増を受けて、インドネシア政府は1日、在宅勤務の徹底や商業施設の閉鎖などの規制強化を発表した。感染者が特に多い地域が対象となる。国内では感染力の強いインドで確認された変異株(デルタ株)が広がり、医療機関が逼迫(ひっぱく)。現地に暮らす日本人も50人超が入院を待つ事態となっている。

 政府の発表によると、規制が適用されるのは、首都ジャカルタがあるジャワ島とバリ島の自治体で、主な内容は▽医療やインフラ、金融など政府が決める業種以外の完全在宅勤務▽スーパーなど生鮮食料品店の午後8時までの営業時間の短縮▽ショッピングモールなどの商業施設、宗教施設の閉鎖など。規制の適用は3日から20日まで。

 国内では6月21日に新型コロナの累計感染者数が200万人を超え、1日当たりの新規感染者数は2万人台で推移。累計の死者数は5万8千人にのぼる。

 感染者数の増加で、国内の医療機関は混迷を極める。インドネシア保健省は6月25日、国内の新型コロナ病床の7割が埋まっていると発表した。屋外に特設テントを設置し、新型コロナ患者対応をする病院もある。ジャカルタでは隔離病床の約9割が埋まり、現地メディアは医療用酸素の価格高騰を報じている。

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は6月29日、国内の医療状況について「デルタ株がインドネシアを大惨事の瀬戸際に近づけている」と警告する。

 こうした事態を受け、政府は新型コロナワクチンの接種数の目標を引き上げた。6月26日から、1日あたり100万回とし、さらに8月には200万回を目指す方針を掲げる。

日本人も感染、国外退避の検討も

 インドネシアに暮らす日本人の間でも新型コロナ患者が増えている。1日時点で、現地の日本大使館が把握する日本人感染者数は累計約250人で、死者数は6人。

 日系企業の海外駐在員に医療機関を紹介する「ウェルビーホールディングス」の現地法人代表の西田陽一郎さんによると、日本人の感染者数は6月中旬以降に急増。ここ2週間で100人以上が新規感染している。現地従業員からの感染だけでなく、日本人同士の接触で感染が拡大しているという。

 1日時点で同社が把握する入院待ちの日本人のコロナ患者数は54人。西田さんは「入院できないことを心配し、一部の日系企業では駐在員の国外退避の検討が本格的に始まっている」と話す。

 国内の感染拡大は、政府が進める経済復興施策にも影を落とす。ロイター通信は6月29日、政府が今年7月を目途に進めていた世界的リゾート地バリ島の観光客受け入れを延期すると報じた。サンディアガ・ウノ観光・創造経済相はロイター通信の取材に対し、「感染状況の改善を待ちたい」と話した。(半田尚子)

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