盛岡は7年ぶりの下落 沿岸は今後も下落傾向か

中山直樹
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 【岩手】仙台国税局は1日、相続税贈与税の算定基準となる2021年の路線価を公表した。岩手県内の標準宅地の平均変動率はマイナス0・4%で、12年連続で下落した。

 県内の最高価格は盛岡市大通2丁目の「大通り」で、1平方メートルあたり23万円。前年の25万円より8・0%下がり、7年ぶりの下落となった。新型コロナの感染拡大によって飲食店が打撃を受け、テナントを貸し出している不動産の収入が減ったことが影響しているとみられる。

 県内9税務署管内それぞれの最高路線価をみると、大船渡の1地点のみが上昇、盛岡、一関など3地点で下落、宮古や釜石など5地点で横ばいだった。

 半導体大手キオクシアの新工場進出でマンションやオフィスの整備が進み、路線価が上昇傾向だった北上は横ばいだった。しかし価格は1月1日時点のもので、5月に新たに2棟目の工場建設計画が明らかになったことから、再び上昇の兆しがみられるという。

 沿岸の大船渡は6年ぶりの上昇となった。今回、最高値の所在地が同市盛町の盛駅周辺から同市大船渡町の商業施設「キャッセン大船渡」近くに変わった。

 20年以上、県内の路線価を分析してきた不動産鑑定士の横田浩さん(60)は「上昇した大船渡も震災前の水準には達していない。沿岸全体でみると、復興事業が落ち着き、人口減少が進んでいるので、価格は下がっていくだろう」と分析する。

 全国の路線価国税庁のホームページ(www.rosenka.nta.go.jp)や各地の税務署で閲覧できる。(中山直樹)