路線価0.7%下落 コロナ禍が影響

藤田大道
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 【茨城】関東信越国税局は1日、相続税贈与税の算定基準となる今年1月1日時点の路線価を公表した。昨年の価格と比べた変動率の県内平均値はマイナス0・7%と、29年連続の下落となった。下落幅も9年ぶりに拡大し、国税局が評価を依頼したつくば不動産研究所の外山茂樹不動産鑑定士は「新型コロナウイルスの影響が出ている」とした。

 県内8税務署の最高路線価のうち、最も高かったのはつくば市のつくば駅前広場線(土浦税務署)の28万5千円。前年より1・8%上がり、県内トップは7年連続になる。路線価も4年連続で上昇しており、外山さんは「学園都市中心部で、複合商業施設や銀行が狭いエリアに集積している。売り物件もほとんど出てこず、高値の取引が見込める」と指摘する。

 守谷市の守谷駅西口ロータリー(竜ケ崎税務署)も16万円(前年比3・2%増)と5年連続で上昇した。外山さんによると、付近でのマンション開発などでさらなる人口増が見込めるが、土地供給がほとんどなく、地価も上昇傾向が続いているという。

 一方、県内8税務署の最高路線価で唯一下落したのは筑西市の県道下館停車場線(下館税務署)。外山さんは「駅前の商店街から郊外型商業施設へ客が流出しており、地価も下落傾向にある」とする。

 このほか、水戸、古河、太田、日立、潮来の各税務署の最高路線価に変動はなかった。

 新型コロナの影響について、外山さんは「昨年の緊急事態宣言では住宅地の買い控えがあったが、解除されてからは需要が回復した」と指摘。「急激な資金調達の悪化が起きたリーマン・ショック時よりも、全体としては減少幅が大きくならなかった」との見方を示した。

 国税庁は、年の途中で路線価が時価を上回った際には、路線価の補正を検討するとしている。路線価の詳細は同庁ホームページで公開されているほか、各税務署でも閲覧できる。(藤田大道)

 〈路線価〉主要道路に面する宅地1平方メートルあたりの標準額で、相続税贈与税を算定する際の基準となる。国土交通省が出す公示地価の8割を目安に、売買価格や不動産鑑定士の意見などを参考に国税庁が算出する。