電気代月350円 2度の被災から学んだ自然との共生

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能登智彦
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 2度の被災で確信を深めた生き方は、自然との共生だ。広島県呉市の井海幹太(いかいみきた)さん(51)一家。東京電力福島第一原発事故で福島県から自主避難。定住を決めた呉市でも、西日本豪雨に見舞われた。いま、呉市の山あいで、自然に負荷をかけない生活を送っている。

 呉市安浦町の幹太さん、妻緑さん(45)、長男麦さん(15)、次男作(さく)さん(12)、長女蕗(ふき)さん(8)の5人家族。家族の一日は日の出とともに始まる。山あいの約5千平方メートルの田畑で、米、麦、タマネギ、トマト、スイカなど約40種類を育てる。農薬や化学肥料はいっさい用いない。夫婦は障害者事業所で月に数日働く以外は田畑にいる。子どもたちも学校以外、山や川が遊び場だ。

 自宅は借家で、電気はひかれているがテレビや冷蔵庫、電子レンジはない。トイレは簡易式でバケツにためて土に積み上げ、1年以上かけて肥料にする。水は近くの山からひいて浄化して飲み水にする。避難にも必要なスマートフォンと車は各1台。電気代は月350円だ。

 食卓は豊かだ。野菜や穀物、野生のイノシシのほか、作物と交換した魚が並ぶ。しょうゆは自家製。箸などの道具も子どもらが竹を楽しんで加工した。

 子どもたちも不自由を訴えることはほとんどない。麦さんは「ずっと自然の中で暮らせれば」と話す。

なるべく電気を使わず、物を少なくする生活を続ける井海さん一家。福島県田村市で暮らしていました。2011年3月11日、東日本大震災に遭遇します。

■やっと手に入れた土地 原発…

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