昨夏の豪雨被災地 治水対策に不安 熊本県の球磨川流域

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伊藤秀樹
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 昨夏の記録的豪雨で氾濫(はんらん)した熊本県南部の球磨(くま)川の治水をめぐり、国や県が緊急的な対策を進めている。豪雨災害で川に積もった土砂の撤去や決壊した堤防の復旧は今夏に完了したが、遊水地整備など未着工の対策も少なくない。梅雨の大雨が懸念されるなか、住民は安全な環境が早く整備されるよう求めている。

 球磨川支流の一つ、芦北町の吉尾(よしお)川。豪雨の際にたまった土砂が両岸を埋め、川幅が狭くなっていたが、県が5月に土砂の撤去を完了。元の川面が姿を見せた。

 土砂がたまると洪水が起きやすくなる。県は今年の梅雨前までをめざして撤去を急ぎ、5月までに球磨川流域の県管理河川で約86万立方メートルを撤去し終えた。国も球磨川などで90万立方メートルを撤去した。

 国土交通省九州地方整備局や県は3月、球磨川の最大支流・川辺川への新たな流水型ダム整備などを柱とした治水策を「球磨川水系流域治水プロジェクト」としてまとめた。

 このうち堆積(たいせき)土砂の撤去や堤防の復旧などは、5~10年程度で取り組む緊急治水対策プロジェクトと位置づけている。人吉市内の2カ所で決壊した球磨川の堤防は5月末までに本復旧した。

 一方、緊急対策のうち、堤防を市街地に寄せて川幅を広げる「引(ひき)堤」や、川からあふれた水を一時的にためる「遊水地」整備などは、4月に測量を始めたばかりだ。

 国は2月以降、引堤や遊水地などの候補地を含む5市町村で住民説明会を開いたが、補償などの具体的な説明には至っていない。

 記録的な早さで梅雨入りした今年、球磨川流域では大雨への不安が尽きない。

 豪雨で25人が亡くなり、約…

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